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テラバイトデータや構造化知識研究に関する過去の記事です。

コンピューターの構造化知識研究

1990年6月

コンピューターの中央処理装置4台を並列的につなぎ、人間のように推理したり連想したりするコンピューターの模擬実験に、九州大学の研究グループが成功した。1991年度にも20台に増結する計画で、最終的には1万台をつなぎ、人間の思考そっくりの柔軟性に富んだコンピューターシステムを目指す。キャリアウーマン並みの有能秘書や、建物の形状を判断できる掃除ロボットの開発にもつながると期待されており「人工知能」開発競争に一石を投じそうだ。

九州大学で実験に成功

模擬実験を行ったのは、九大総合理工学研究科の雨宮真人教授(情報システム専攻)のグループ。雨宮教授らは、記憶した知識で推論や連想を行う人間の思考回路網に着目。「食物-果物-黄色-酸っぱい-レモン」など属性や因果関係でつながる情報を与えて連想ネットワークを構成。このネットワーク網をコンピューターに自由にたどらせることで、連想や推論処理をさせることを考えた。

ネットワークを組むには、かなりの数のコンピューターの処理装置をつなぎ、情報を並列的に行き交わさせる”超並列コンピューター”が必要となる。模擬実験では4台のコンピューターの処理装置を結合させて簡単な連想ネットをつくった。

推理・連想も

実験では、個々の物や事象を記号で表し、例えば「黄色い果物は何か」との質問が与えられると、コンピューターは連想ネットをたどり「果物」と「黄色」という条件を同時に満たすものとして「ミカン」や「バナナ」などを答え、幅広い推論や連想が可能なことを実証した。

こうした処理を実用的に行うには、万単位の膨大な数の処理装置を連結することが不可欠のため、ハード分野では今後コンピューター処理機能をVLSI(超大規模集積回路)化し、ハードの超小型化を進めることが大きな課題となる。またソフト面でも、大量の知識を連想ネットとして記憶させることが重要で、人間のもつ知識がどのように構造化されて記憶され、推論や連想をするかを詳しく調べなければならない、という。

AI(人工知能)への応用

これらのハードルがクリアできれば、人間の言葉や画像、図形のもつ意味を理解するAI(人工知能)への応用も期待できる。雨宮教授は「機械的でなく、人間的な応対ができる自動秘書システムや考えるロボットの実現にも役立つ。連想ネットをどう広げていくかも今後の課題だ」と話している。

知識の入力、蓄積、利用法

第5世代コンピューターなど、人工知能となるコンピューターの実現には、学習や推論の基になる知識の入力、蓄積、利用法(ソフト)の開発がカギを握る。これまでにも、あいまいな情報から最も妥当な結論を導くファジー・コンピューターや、脳の神経回路を模倣したニューロン・コンピューターなどの手法が試みられている。

富士フイルム、BaFe磁性体で高密度データ記録、35テラバイト

2010年1月

富士フイルムは2010年1月、米IBMとの共同開発によりデータストレージメディアの大容量化に貢献するバリウムフェライト(BaFe)磁性体を採用することで、リニア記録の磁気テープで世界最高記録密度となる1平方インチ当たり29・5ギガビットのデータ記録を実現したと発表した。これにより1巻当たりの記録容量がLTO4カートリッジ比約44倍となる35テラバイトデータカートリッジの開発が可能となる。

今回開発した磁性体では、独自のナノキュービック技術をさらに進化させた新微粒子化技術と新均一薄層塗布技術、新高分散技術により、現行のメタル磁性体体積の約3分の1に相当する1600立方ナノメートルにまで微細化したBaFe磁性体を均一に分散し、厚みむらのない超平滑薄層磁性層の塗布を実現した。

また、新設計のテープ表面形状によりテープ走行の安定化を図ったほか、新開発の垂直配向技術によりナノオーダーで磁性体の配列を制御することで高い垂直配向性能を達成した。

これらの技術を、IBMが開発に成功した新サーボパターン、新信号処理技術、低摺動抵抗GMRヘッドと組み合わせることで記録密度を飛躍的に向上させており、29・5ギガビットのデータ記録を実現している。

データウエアハウス用アプライアンスのトップは日本テラデータ

2009年10月15日、日経ソリューションビジネス

データウエアハウス用アプライアンスの2008年度の日本国内市場シェア(出荷金額ベース)は、日本テラデータが78.0%で首位だった。ITRが44社のITベンダーを対象に調査した「ITR Market View:DBMS/BI市場2009」によるとこうなる。

2位は日本ネティーザの15.7%で、3位は日本ヒューレット・パッカードの6.3%である。

2008年度の市場規模は全体で、2007年度比19.7%増の63億7000万円だった。日本オラクルや日本IBM、マイクロソフトといった大手ベンダーの日本国内市場への参入が相次いでおり、今後は競争が激化するとITRは見ている。

NTTデータと日本テラデータ、DWHで共同展開

2009年9月30日、日刊工業新聞

NTTデータと日本テラデータ(東京都中央区、吉川幸彦社長)は2009年9月29日、データウエアハウス(DWH)システム関連のサービスを共同展開すると発表した。NTTデータが、テラデータ製品の技術検証を終えたのに合わせ、DWHシステム構築などのサービスを提供していく。NTTデータはDWHシステム構築事業で、今後5年間に100億円の売り上げを目指す。

NTTデータと日本テラデータは共同展開に先立ち、NTTデータのDWHおよびBI(データの分析・活用)システム導入支援サービスでのテラデータ製品の適用性を検証。検証成果を踏まえ、NTTデータがシステムの要件定義から構築、運用までを手がける。

特に大量データの分析ニーズが高い通信や金融、流通業界、政府機関向けなどに提供する。顧客の要求に合わせてテラデータ製品を選定するほか、試験的な環境も用意する。さまざまなBIツールと組み合わせた上で、テラデータ製品の実案件への適用性を確認できるようにする。また、経営課題の抽出や原因分析などコンサルティングも行う。

日本テラデータ、新製品投入や協業拡大テコに事業強化戦略

2009年3月9日、日刊工業新聞

日本テラデータ(東京都中央区、吉川幸彦社長)は、新製品投入やパートナーとの協業拡大をテコにした事業強化戦略を推進する。主力となるデータウエアハウス(DWH、大量データの分析システム)や、データ分析のアプライアンス(用途を特化した製品)の最新版を2009年3月9日に発売する。システムの機能強化や営業面でSASインスティチュートジャパン(東京都中央区)と協業していく。

DWHの最新版「テラデータ13・0」は、システムに対する処理要求の実行プランを最適化する機能を強化し、処理性能を従来製品比最大30%向上させた。加えて、新機能となるストレージ(外部記憶装置)仮想化機能により、システム容量を最大限に活用しながら利用頻度に応じたデータ管理を実現する。価格は600万円から。

アプライアンス「エクストリームデータアプライアンス1550」は大量データの処理とデータの拡張性に優れる。大容量ディスクドライブの採用により、50テラバイト(テラは1兆)から最大50ペタ(ペタは1000兆)バイトまでの膨大なデータを格納。価格は1億1550万円から。

2009年内に、SASのデータ統合、予測・分析機能をテラデータのデータベース(DB)内部で動かせる製品群も提供する予定。DBと分析プロセス間のデータ移動の負荷を軽減でき、分析処理速度の向上につなげられる。

日本テラデータ、データマイニングソフトの最新版を発売

2009年2月17日、日刊工業新聞

日本テラデータ(東京都中央区、吉川幸彦社長)は2009年2月16日、蓄積したデータを解析し、相関関係を見つけ出すデータマイニングソフトの最新版を発売したと発表した。データを元に、売り上げなどの予測や分類データを作成するための計算処理を設定日に実行する機能や、データの準備作業を自動化する機能などを新たに追加した。価格は441万円から。

新製品「ウェアハウスマイナー5・2」は日本テラデータ製データベース(DB)システム内で稼働。データの選別や加工といった準備作業から、計算式の作成、実際の計算処理などデータマイニングに関するすべてのプロセスを、外部システムを用いずに実行可能で、作業の煩雑さを軽減できる。

日本テラデータで構築した計算式を管理する機能「モデルマネージャー」も追加。日常業務で蓄えられるデータを反映させた計算ができるほか、登録した計算式を日ごとや週ごとといった設定日時で実行可能。継続的に反映される最新データを利用するこで、常に最新のデータを業務に活用できる。

日本テラデータ、DWHサーバー2機種を追加

2008年5月30日、ニッキン

情報の分析や構築で企業を支援する日本テラデータは超並列処理のサーバー・ファミリーに最上位機種のエンタープライズ・データウェアハウス(EDW)サーバー「Teradata5550H」(写真)とデータウェアハウス(DWH)入門用に特化したサーバー「Teradata2500」の2機種を新たに追加した。

5550Hは、現行の機種に比べて最大50%性能を向上した。このシステムを活用することで、迅速で的確な意思決定やマーケティングが可能になる。大量のトランザクション・データの分析ニーズの高い金融、製造、小売業などが販売対象。

2500は、テラデータ・データベースと各種ユーティリティを組み込んだオールインワンのパッケージ・ハードウェアで、納入後すぐに利用できるシンプルな構成。

日本テラデータは、これら2機種を追加することで、DWH市場でのシェア拡大を目指す。

BI活用は現場レベルへ テラデータ 不可欠なデータ統合

2008年3月18日、繊研新聞

企業内の多様な情報を分析し意思決定を支援するBI(ビジネス・インテリジェンス)ソフトが注目されている。ただし「戦略レベルばかりではなく業務レベルでも、競合より迅速・明敏な意思決定と行動が求められている」と、テラデータ・コーポレーションのマイケル・コーラー社長兼CEO(最高経営責任者)は強調する。先日、日本テラデータが開いたカンファレンスで講演した。

調査によれば、好業績企業ほど分析能力を重視し、顧客接点の営業・販売やコールセンターなどの現場でも意思決定にBIを活用するケースが増えているという。しかし、一般には企業内の情報は各部門内に散在しており、BI活用も部門内データに限定される。分析システムだけでなく、データ・インフラ整備への投資が必要と言う。

この課題に対してテラデータが提案するのは、全社のデータを統合・一元管理し、各部署からのデータ活用を可能にするEDW(エンタープライズ・データ・ウエアハウス)だ。これを基盤に現場にもサプライヤー・顧客企業にも開放し、組織を超えてBIを活用する、というのが、テラデータが提唱するAEI(アクティブ・エンタープライズ・インテリジェンス)のコンセプトと言う。

日本テラデータの吉川幸彦社長も「毎日の現場の意思決定の積み重ねこそ重要になっており、AEIは意思決定のスピードアップだけでなく、小さいが非常に多い意思決定を行う現場の支援にポイントがある」と言う。日本テラデータは2007年9月、日本NCRからの分社を完了し、2007年の年間売り上げを2ケタ増とし、新規ユーザーも増えた。4大銀行や百貨店上位の過半がユーザーと言う。今後も、取引データが多く、分析ニーズが強い金融や流通、製造業などを対象にデータ統合基盤と分析ツールを提供し、AEIの能力実装を支援していく。

日本テラデータ社長・吉川幸彦氏「製造、通信分野を開拓」

2007年10月29日、日刊工業新聞

日本NCR(東京都中央区)がテラデータ事業を分社化するのにあたり白羽の矢が立った。「分社化したことでパートナー戦略の選択肢が広がる」と見通し、パートナー企業との連携強化を進めデータウエアハウス(DWH)事業の拡大を目指す。

日本テラデータが重視するのは経営層だけでなく、全社で最新情報を活用する環境の提供。「経営から現場における意思決定をサポートできる」とし、独自のDWH戦略で顧客の経営高度化を後押ししていく。

その実現で求められるのは業務と情報の両システムの連携。またシステム構築(SI)業者などのパートナー企業との連携強化に加え、ユーザー層の拡充も必要になる。

顧客は現在、流通と金融分野が中心。今後は製造業に加え「グローバル(規模でみたグループ各社)に比べて見劣りする通信分野の顧客開拓に力を注ぐ」といい、初年度に分社前の前年実績比2ケタの成長を目指す。

【略歴】1976年(昭和51年)慶大工卒、1976年日本NCR入社。2003年テラデータ事業本部本部長補佐兼営業推進統括部長、2006年執行役員テラデータ事業本部長、2007年常務執行役員。東京都出身、55歳。2007年9月1日就任。(東京都中央区新川1の21の2)

日本テラデータ、企業向けデータウェアハウス製品の最新版を発売

2007年11月20日、日刊工業新聞

日本テラデータ(東京都中央区、吉川幸彦社長)は、企業向けデータウェアハウス製品の最新版を発売した。データベース(DB)への処理要求(クエリー)性能を最大30%引き上げたほか、経営層および現場の業務担当者向けに30項目以上の新機能と改良を加えた。ソフトライセンス価格は600万円から。ハードウエアを含めて初年度70億円の売り上げを見込む。

新製品「テラデータ12・0」は、DBエンジンや運用管理支援などのソフトと構築支援やコンサルティングといったサポートサービスで構成する。経営層向けには統計情報の収集間隔を短縮し、予測コストなどの見積もり精度をアップ。データの保存領域をあらかじめ細かく分割することで検索速度の向上も実現した。

インタビュー 吉川・日本テラデータ社長に聞く、2008年はチャレンジの年

2007年12月14日、ニッキン

日本NCRと分社化し、2007年12月で3カ月が経過した日本テラデータ。データウェアハウス専業で金融界に高い実績を誇る。「2008年は本当の意味でのスタートとチャレンジの年」と位置づける日本テラデータの吉川幸彦社長は、今後の金融戦略などについて概ね次のように語った。

(1)分社化にあたっては、ビジネスの継続性を最優先し、顧客に迷惑がかかってはいけないと社員には徹底した。2008年が本当の意味でのスタートになると考えている。2008年からの3年間に、毎年2ケタ増の売上を目指していく。

(2)日本テラデータは、NCRから受け継いだ社風、テラデータとしての文化を持ち、また、2007年に入社した中途採用の社員もおり、ある意味では多様性を持っている。それぞれの個性を尊重し、それを伸ばしていくことで、独自の方向性を模索していきたい。

(3)金融機関は重点分野と考えている。現在、銀行やノンバンクなど60社に日本テラデータのシステムが導入されている。さらに、カード会社、証券、保険に対しても積極的に提案していく。

(4)経営トップに、情報に対する理解と活用を促していきたい。金融機関ではトップがデータの価値を理解し、活用に積極的なところほど、スピード経営を実現し、業績も伸ばしているようだ。

(5)今後の展開として、経営管理では、これまで個別に対応していたものを統合したリスクマネジメントを。マーケティングでは、過去の履歴データに加え、現場での意思決定に必要な最新の情報を提供する、アクティブなソリューションを考えている。新しい日本テラデータに期待して欲しい。

西日本鉄道=日本テラデータ~実績重視の新規顧客コンサルが奮闘し受注

2008年12月15日、 日経ソリューションビジネス

日本テラデータ(当時は日本NCR)が西日本鉄道から受注を獲得するまでの経緯
2004年5月 西日本鉄道ICカード開発室の杉本氏が日本テラデータのセミナーに参加
2004年8月 西鉄の杉本氏たちがIC乗車券事業の戦略を確立するため、コンサルティングのRFP(提案依頼書)を公開。テラデータからはコンサルタントの田中氏が商談に加わる。大手メーカーやシンクタンクなどほか4社が参加
2004年9月 テラデータが商業系(電子マネーやポイント制度)システムのコンサルティングを受注。交通系(乗車券)システムは大手メーカーA社が受注
2005年4月 テラデータとA社がコンサルティングの成果物を納品
2005年5月 西鉄が交通系の基幹系システムのRFPを公開。大手メーカーなど4社に加えてテラデータも提案。
2006年1月 西鉄が交通系システムの発注をA社に内定。テラデータは失注する。その後もテラデータの田中氏はIC乗車券事業の担当役員や杉本氏、奥村氏などに情報提供を続ける。
2006年5月 西鉄が商業系システムのRFPを公開。A社とテラデータが候補に
2006年8月 西鉄が常務会を開いて、商業系システムの発注をテラデータに内定
2007年7月 テラデータが担当する商業系システムの設計作業が終了。開発作業に着手する
2008年5月 西鉄がIC乗車券のnimocaのサービスをスタート。顧客分析システムも稼働